CONCEPT
お気に入りの漆器とともに
美味しい一皿をいただく、至福の時間。
好きなものを身につけた、ドキドキする時間。
大事なものを手入れしている、満たされた時間。
手にとることで、めまぐるしく過ぎていく毎日の中に、お気に入りの時間が生まれるような漆器を私たちは目指しています。(suosikkiは、フィンランド語でお気に入りのこと)
素材が持つ質感や特徴を活かすこと。
手作業だからこそ生まれる、馴染みの良い仕上がり。
自然塗料である漆を使った、今までのイメージにとらわれない新しいデザインを提案するブランドです。
suosikkiについて
漆器をもっとみんなに使ってほしい—
その想いからsuosikkiは生まれました。誤解されがちな漆ですが、本当は塗料の中でも強く、耐久性があり、かつ美しい天然の素材。使うほどに魅力を増します。たくさん人の手を通して形になる漆器。そのことを肝に銘じて、ものづくりに取り組んでいます。
私たちのものづくり
伝統的な知識と現代の視点
私たちは京都の大学や研修所で漆について学びました。下地から塗り、蒔絵まで一貫した技術を身につけて高い品質でのものづくりを心掛け、主に近畿圏で活動しています。
木が主な材料として使われてきた日本では永らくの間漆も重要な素材として重宝されてきましたが、近年合成樹脂等の新たな素材が出現するなど時代の移り変わりによって漆が使われる場面は急速に縮小しています。しかし同時に、合成樹脂を使用した新たな漆や、漆の装飾に用いる金属粉や貝などの代用になりつつ色のバリエーションも豊富な素材などが開発されており、素材として今後の可能性も感じています。長く残る文化は時代に合わせて変化していくものであり、私たちも常に情報を更新し、伝統的な知識だけでなく現代的な視点からも新たなものづくりを常に模索することで、漆文化の未来に少しでも力になれたらと考えています。
色作りへのこだわり
明治時代、漆芸家の六角紫水らによって漆専用に開発された顔料により、黒や赤だけでなく多様な色を表現できるようになりました。私たちはこの色漆を積極的に使い、新たな漆のイメージを作り出すことに挑戦しています。もともと、ウルシの木から採取した漆(樹液)は乳白色をしており、これを精製した飴色で透明な透漆(すけうるし)に顔料を混ぜて様々な色漆を作ります。飴色の漆と混ぜるので、彩度の高いビビットな色や明度の高いペールトーンのような色は作るのが難しく、少し落ちついた色になります。さらに、漆の硬化する速度によって同じ色を塗っても仕上がりの色が微妙に変化します。suosikkiでは過去に調合して作った色の配合を全て記録し、硬化速度も調整することで微妙な色味や配色を可能にしました。
日本では昔から多くの色に名前をつけてきました。日本の伝統色は400色以上あり、四季や動植物、風景を表す色が多くあります。四季の変化がはっきりしており、豊かな自然を色で愛でてきたのでしょう。suosikkiでも四季の移ろいや自然のモチーフに多くのインスピレーションを得ています。拭き漆の箸「四季箸」では春夏秋冬で各5色ずつ、頭の塗りも加えると計20色を越える色を扱っています。それぞれのお箸に季節を代表する草花や食べ物の名前がついており、季節ごとに感じる色調を変えて色を選定しました。一言で緑、青、ピンクといってもそれぞれ異なる色で仕上げています。季節ごとに使うお箸を変えれば、四季の移ろいを食卓から感じられることでしょう。
PROFILE
大学の同期3人で学祭に出店したお箸屋さん「うるしおいしおはし」をきっかけに、ブランド「suosikki」を立ち上げました。
今の生活に合う、使いやすい食器を目指して漆器の制作・販売を行っております。
竹村雪子
兵庫県出身。2012年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。
2024年京都市産業技術研究所漆工基礎コース、応用コース修了。
萩原佳奈
大阪府出身。2012年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。
京都市産業技術研究所漆工基礎コース、応用コース修了。
耳亜沙美
大阪府出身。2012年京都市立芸術大学大学院美術研究科漆工専攻修了。